総合病院の開業前に知っておくべき法律と諸手続き
病院開設・修繕に関わる法律
クリニックを開設するためには、必ず法律で定められた規定を守っていることが条件となります。本ページでは下記の2つをご紹介します。
・建築基準法
・医療法
この他にも消防法や都市計画法、バリアフリー法、市町村単位で定められる規定もあります。また、精神保健福祉法などの法律が適用される施設もあるため、必ず開業する地域が定める規定を確認してください。
建築基準法とは
建築基準法とは、私たちの生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めた、建築物を建てる上で基本となる法律です。
総合病院を作る場合、建築基準法だけでなくバリアフリー法や地方公共団体条例の規制があるため、調査や設計、手続きが複雑になります。
スムーズに開業に向けて進めるために、医療施設の設計に精通している設計事務所と連携することをおすすめします。
※特殊建築物とは建築基準法第2条2項で定められている特殊な設備・構造を持った建物のことです。
医療法とは
医療法は、病院の開設・管理などが定められた法律です。
建築基準法は、建物の安全性を考慮して法律が定められていますが、医療法では、医療行為から指導基準を元に規定が定められています。例えば、こうした項目があります。
・診察室の広さは、9.9平方メートル以上が望ましい
・待合室の広さは、3.3平方メートル以上が望ましい
・歯科治療室の広さは1セット当たり6.3平方メートル以上
(2セット以上は1セットにつき5.4平方メートル以上)
・レントゲン撮影室は、放射線防護がされていること
この他にも衛生面や薬品倉庫などの基準が示されています。
クリニックをはじめ医療施設は、この医療法の条件を満たさない限り建築計画を進めることができません。建設予定の病院に必要なスペースや機材、診療方法を事前に確認し、設計担当者と施設計画を立てることをお勧めします。
総合病院の改修時に必要な諸手続き
諸官庁への主な届出・手続き
保健所に『病院開設届』を提出
この病院開設届は病院を開業する際に提出するものですが、改修など工事を行った際にも提出する必要があります。
届け出前の事前相談時には院内レイアウトなどについての指導や質問が入ることがあるため、保健所への事前相談前に設計事務所に内装等についての相談をしておく必要があります。
設計事務所と内装等の準備を行い、保健所に事前相談をして、病院開設届を提出する流れで進めるとスムーズに進みます。
保健所への事前相談時には開設届の書き方や、添付書類の書き方指導、その他不明点はしっかりと確認しておくと、よりスムーズに受理まで進めることができます。
建築確認申請
建築物を新築、増築、大規模の修繕、特殊建築物への用途変更をしようとする場合は工事に着手する前に、建築確認申請を提出し、確認済証の交付を受けなければなりません。
これは、病院が避難、安全、構造、設備それぞれに関連した法律の規定に適合している事の確認のために受けるものです。
専門家とともに確実な病院開業・修繕準備を
総合病院の建築を計画されている場合、建築基準法に則り、建築物の工事を行う必要があります。そして、保健所等の関係機関との協議や申請が必要になります。
これらを不備なく進めていくためには、開業や修繕等の建築計画の初段回から医療施設の実績の多い設計事務所と連携していくのが確実です。